ウェルビーイングを探究するブログ

『私の幸せはどこ?』

運動で人生が変わる!脳科学が証明する驚きの効果 書籍『運動脳』

運動で脳を活性化! 人生を変えるヒントがここに

皆さん運動してますか?

健康のためには運動したほうがいいことはわかっているけど、今日はもういいやー、明日から……というパターンを何度も繰り返していないでしょうか。

でも、やっぱり運動は良いんです!

運動すると身体の健康だけでなく、脳にまで良い影響を与えるという一石二鳥の効果を解説してくれる本をご紹介します。

『新版・一流の頭脳 運動脳』アンデシュ・ハンセン著 御舩由美子訳 2022年 サンマーク出版

あなたが動けば、今この瞬間にもっと集中できるようになる。今この瞬間にもっと創造的になれる。今この瞬間にもっとストレスに強くなれる。

P7

1万2000年前からほとんどかわらない私たち人類の脳。原始の時代には獲物を求めて動き回ってきた時代と、脳の機能は違わないのに現代は、座っていることがほとんど、という人が多くなってしまいました。生活習慣が、ご先祖とは大きく変わったのです。

動き回ることに適した脳のまま、ほとんど動かない生活をしている現代では、運動を意識しないと脳に適した生活ができないということが言えます。

身体を動かすと、脳の各領域同士の連携が強化される

脳の各領域の連携が良いか悪いかで、記憶力や教育水準の高さ、自制心などに違いが出てきます。

しかし脳の機能は人それぞれ決まったものではなく、変えていくことができる柔軟性を持っています(神経可塑性)。

そのためには運動とトレーニングが効果的です。しかも20分から30分ほどで効果があるといいます。

ランニングでストレス解消?

コルチゾールは、ストレスを感じたときに分泌量が増えることから「ストレスホルモン」と呼ばれています。

コルチゾールが分泌されると

  • 血糖値の上昇:身体活動に必要なエネルギー源であるブドウ糖を供給
  • 免疫機能の抑制:炎症反応を抑え、身体へのダメージを軽減
  • 血圧の上昇:心拍数を上げ、血圧を上昇させることで、身体に酸素を供給しやすくする

このようにストレスに対応するために身体を守る働きをします。この場合のストレスとは原始の私たちの祖先が身の危険を感じた時に生じたものです。闘争するか逃走するか判断に迫られるときにコルチゾールが分泌されていたのです。

一時的なストレスにプラスの効果をもたらしてくれるコルチゾールですが、仕事や人間関係で慢性的にストレスを抱える現代では、それが裏目に出ることになります。

プレゼン前に緊張して心臓がどきどきしたり、仕事の締め切りが迫ってイライラしたり、人間関係のトラブルで不安を感じて眠れなかったり。 

そのコルチゾールを、本書では運動でコントロールできるといいます。

ランニングやサイクリングで筋肉に負荷をかけると、それがストレスとなってコルチゾールが分泌される

 ↓

運動を終了するとコルチゾールの分泌量は運動前のレベルにまで減る

 ↓

運動が習慣づくと、コルチゾールが増えにくくなるが、運動後に下がる量が逆に増えていく

定期的に運動を続けていくと、運動以外のことが原因のストレスを抱えているときでも、コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていく。

(中略)

つまり運動が、ストレスに対して過剰に反応しないように身体をしつけるのである。

P73

ストレスがゼロの生活は不可能です。ならば運動によってストレスへの抵抗力を高めたほうがより現実的なようです。

脳を操作しているのは私たちであって、脳が私たちを操作しているのではない。だから、脳の各領域の連携を強化するには、脳の仕組みを理解したうえで、定期的に運動することが何より重要なのだ。

P44

ランニングやスイミングなどの有酸素運動が、筋力トレーニングよりも効果があるそうです。少なくとも20分、余裕があれば30~45分がいいそうです。

ひらめく力と運動

皆さんは運動後に何かアイディアが浮かぶということはないでしょうか。

それは気分が爽快になって頭が冴えたから、というだけではなさそうだと著者は言います。

脳の中央あたりにある「視床」も、創造性に寄与しているのではないかと言っています。

視床は、五感から得られた膨大な情報を、大脳皮質へ伝える前に一度集めて整理する役割を持っています。いわば、情報の洪水の中から、私たちにとって重要な情報を抽出し、優先的に処理するための「フィルター」のような働きをしているのです。

そして視床が厳選した情報を前頭葉に送ります。前頭葉は、思考、判断、計画、感情のコントロールなど、高度な認知機能の中枢です。過去の経験や知識を結びつけ、新しい組み合わせを生み出す能力を持っています。

つまり、前頭葉が斬新なアイデアを生み出すためには情報の中継、集積、選択をする視床がハブとしてうまく機能していることが重要です。

運動やトレーニングをすると、アイデアを活かす力が高まるだけでなく、アイデアそのものがあふれ出るようになると考えられている。どういったメカニズムでそうなるのかはまだ解明されていないが、視床のフィルターの働きには欠かせないドーパミンに、運動が作用するためだと言われている。

運動をすることでドーパミンのシステムが調整され、私たちの気分や視床を通る情報量も適宜制御される。その結果、創造性が増すのである。

P277

まとめ

運動と集中力の関係、運動のうつ病に対する効果、ランナーズハイについて、運動と記憶力、運動と学力、運動と認知機能についても取り上げられています。

運動によって身体の健康だけでなく、脳の機能の向上が得られることを分かりやすく説明してくれます。

忙しいから運動する暇がないという人は、忙しいからこそ運動する時間を設ける必要があると発想の転換が必要なのかもしれません。

適度な運動で身体と脳の健康を手に入れましょう。

生物学的には、私たちの脳と身体は今もサバンナにいる。

P344

読み終えて

本書の中で作家の村上春樹氏の創作の一日が紹介されていましたが、朝4時に起きて夜9時に寝るんだそうです。

「私と一緒!」と思いましたが、その行動を創作という仕事につなげている人とそうでない私。意識の違いが人生の大きな差になるんですねぇ。運動もしてるのに……

本をたくさん読んで実践しているつもりですが、生き方の下手な私"(-""-)"