呼吸にフォーカスしてリラックス、病気知らずの人生を!
皆さんは呼吸って意識したことありますか?
呼吸なんて自律神経が行うものだから意識する必要ある?って思いますよね。意識しなくても息を吸って、吐いてるんだから生きていられるわけです。
でも、意識してないから、ないがしろにしてると言えるかもしれません。酸素を取り込まなければ生きていけない。そんな重要なことに私たちはあまりにも無頓着なのかもしれませんね。
普段意識しないけど、実はなくてはならない呼吸というものにフォーカスした本をご紹介します。
平均的な読者はここから本書の終わりまで読むのに約1万回の呼吸を要するだろう。私が適切に事を果たしたなら、今からあなたは息をするごとに呼吸とその最良の方法について理解を深める。
P16
『BREATH 呼吸の科学』ジェームズ・ネスタ―著 近藤隆文訳 2022年 早川書房
何を食べ、どれだけ運動し、どれだけ遺伝子に復元力があろうと、どれだけ痩せていようと若かろうと賢かろうと、正しく呼吸していなければ、何の意味もない。まさに研究者たちは発見した。健康に欠けている柱とは呼吸だ。そこからすべては始まる。
P14
口呼吸より鼻呼吸
いま、口で息をしているか、鼻でしているか、考えたことありますか?
本書では、古代の人が書き残したものや、北米南米の原住民によれば、口による呼吸は害があり、鼻で呼吸すべきだ、と伝えているといいます。
筆者は友人と鼻に栓をして口だけで過ごす期間、口をふさいで鼻だけで呼吸する期間を設ける実験に参加しました。
口だけで息をしているといびきが多くなり、睡眠時無呼吸の状態になり、気分も「毎日すべてが悪化しているとしか思えない」状態だったそうです。
口にテープをはり、鼻呼吸だけだと、睡眠時のいびきや無呼吸の状態が劇的に減少、またはまったくなくなったのです。
ゆっくり吸ってゆっくり吐く
深いゆっくりとした呼吸法はヨガや、宗教の祈りの技法に共通するものです。
心拍変動が大きいほど、自律神経のバランスが良く、心身がリラックスしている状態と言われていて、ゆっくり深い呼吸が効果的だそうです。
共鳴呼吸法
心拍変動が最大になる呼吸回数を「共鳴呼吸数」と呼び、この呼吸数で呼吸することで、心身のリラックス効果や自律神経のバランスを整える効果が期待されます。
複数の研究で、1分間あたり5~6回の呼吸が、心拍変動を最大にするという結果が出ていて、5.5回が平均的な値として注目されることが多く、本書でも紹介されています。
この共鳴呼吸法は瞑想する気のない人に瞑想と同じ効用をもたらした。カウチから降りたくない人にヨガの効用を。宗教を信じない人に祈りの癒し効果を提供するものだった。
P113
噛むということ
工業化社会が始まったころから食べ物は加工され、柔らかくなりました。同時に人間の歯並びが悪くなり、鼻がつまり、気道が狭くなったと考えられます。
十分に咀嚼していた大昔には「口や歯、喉、顔は広く、強くはっきりとした形」の頭蓋骨をしており、それは効率よく呼吸するのに適していたのです。
人間であれ、豚であれ、何であれ、固いものからやわらかいものに変わるたびに、顔が狭くなり、歯が密集し、顎の位置がずれる。呼吸障害がついてくることも多い。
P174
食べ物が固かろうが、柔らかだろうが、呼吸しやすい気道の形というものを手にいれるためには咀嚼という一定のストレスが必要ということです。
まとめ
呼吸数を減らすことの喘息に対する効果、アスリートの成績向上。
意識的に過呼吸にして自律神経をコントロールする仏教の呼吸法「ツンモ」、ヴィム・ホフの呼吸法、ホロトロピック・ブレスワークについて、など、呼吸の仕方が体や精神にどのような変化をもたらすのかを解説しています。
著者はジャーナリストとして、科学者、医師、民間療法の実践者に取材し、過去の批判され、忘れ去られた論文をかき集め、呼吸が人体に良くも悪くも大きな影響をもたらすことを調べつくし、さらに自らも実験台になって体験しました。
著者が行った取材と実体験をもとにした記述は論文や報告書のような堅苦しさがなく、読みやすかったです。
気道閉塞と治療法をめぐる、とても不思議な長旅の終わりに学んだことがある。私たちの鼻や口は、生まれたときや子供時代、あるいは成人後も決定づけられはしない。過去数百年のあいだに受けたダメージの多くを意志の力で元に戻すことができる。
P177
無意識に行われているのにもかかわらず私たちの生命維持を担っている呼吸に目を向けてみませんか。深呼吸をしたくなりますよ。
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読み終えて
私は呼吸を考えた時に、酸素を意識するけど二酸化炭素のことはあまり考えたことがありませんでした。
血液中の二酸化炭素濃度が上がると、脳の呼吸中枢が刺激され、呼吸が速く深くなるそうです。でも、酸素濃度が低下した場合も呼吸が促されるけど、二酸化炭素濃度の上昇ほどには強くは働かないんですって。
瞑想やヨガで呼吸を意識しているからか、この本のタイトルが気になって手に取りました。
身体の中で酸素と二酸化炭素が働いていることをイメージすると生命活動の絶妙さを実感しますね(^^)