女性の複雑な心理を解き明かす 書籍『不機嫌な女子社員とのつき合い方』
女子社員の言動の裏を知るために
女性の気持ちって同じ女性でも理解不能なことたくさんありませんか?
女性同士だから仲良くできるなんて単純に考えている人に出会ってしまうと、「いや、そんなわけないでしょ」と突っ込みたくなることありますよね。
学校や職場って一緒にいる人を選べない、組織なんだから当たり前か、と思っても、気が合わない、理解できない、そりが合わない、そんな女子といるとただでさえ仕事が大変なのに、余計に神経をすり減らして結局、仕事以外の原因で職場を去ってしまう、という人があまりにも多くないでしょうか。
今回はそれに気づかない、なぜあの社員は去ってしまったのかわからない管理職の人のために書かれた本です。

でも決してこの本は、お局やいじめとも思える行動、言動をする女子を非難する内容ではありません。
この本の著者、北川氏が長年、販売員として培ってきた観察眼と、管理職としてスタッフの教育に携わってきたプロとして、女子社員の本音、心の動きを読み解いて、いかに女子社員に向き合うか、職場にどのように貢献してもらうのかを解説するものです。

人はさまざま、女子社員もさまざま
この本では数々の女子のパターンをあげていますが、中でも私が出会ったことのあるタイプを二人だけ、ご紹介します。
- 部下の業績を認めない「お局女子」
お局女子は上下関係の厳しい社会で育って来て、褒められたこともない。今までの先輩からの手法をそのまま実行しようとするので、部下に同じことを繰り返す。だから横のつながりを作るのが苦手。
著者の対処法は、お局女子と後輩(部下)の間に入って「かすがい」になること。
間接的に双方の感情や意見を伝えてあげるとお局女子の態度も軟化したそうです。
- 相手をやり込めようとする「とっちめ女子」
こうあるべき、○○しなければならない、という正義感をしっかり持っていて、自分の理想と相反する行動の人を許せないのだそうです。
自分の理想の「結果」だけを重視し、過程を評価しない傾向にあるので、途中経過の「報告」をすることにしました。そうして結果に至るまでのプロセスに目を向けてもらうことで他者に対してだけでなく、自分自身に対しての不機嫌も改善したそうです。
女子社員の不機嫌の背景を知ることでその対処法がわかるといいます。
女性は表にあらわれる表情や言葉のほかにその裏の感情を読み取ろうとしてしまいます。それをポジティブに捉えられるようにしてあげればその特徴をプラスの方向へ力を発揮してもらうことも可能だそうです。
まとめ
しかし残念ながら管理職の方々が、「こいつはお局女子だな、なんとか対処しないと」と思ってくれなければこの本を手に取ることはないでしょう。
あるいは、女子社員が一人でいると、
「話し相手がいないとさみしいねぇー」などという上司、先輩、男性には、著者のような、これらの繊細で細やかな配慮というのは期待できない、というのが私の本音です。
大人同士なんだから、そこまで世話してやんなきゃいけない?と思っている上司は、同時に、なんで次々人が辞めていくのかなー、給料が低いのかな、仕事振りすぎた?と的外れな考えにおちいっているかもしれません。
管理職の方に読んでほしい本ですが、目の前の人間に興味のない人には、この本は目に入らない………。
この本の目次
- 第1章 女子は『ほめ言葉」で伸びていく
- 第2章 不満を表に出すタイプ
- 第3章 不満をため込むタイプ
- 第4章 女子力の活かし方
読み終えて
もしこの本を手にする女性の方がおられたら、自分の職場にいる人だけでなく、自分自身もこの中に当てはまらないだろうかと思いながら読んでほしいです。
ちなみに私は、
”笑顔のベールをかぶった「ニコニコ女子」”
です。
仕事はそつなくこなすけれど、自分から意見を言ったりすることはなく、常に一歩引いたところで優しい笑顔を浮かべています。
(中略)
一見、人を受け入れようという好意的なスマイルに見えるのですが、実は「こちらからは入っていきません。だから、そちらからも入ってこないでくださいね」というベールのような笑顔です。
P150
このようなニコニコ女子は1対1の対話で少しずつ心を通わせるとよい、とありました。
当たってるなぁ 波風立てるのが嫌なので愚痴は言わない、悪口も言わない。
そう、悪口陰口が嫌いという正義感ではなく、他者と仕事以外で関わりたくない、という私の暗部だと思います。
著者の北山氏の人間観察の鋭さに感服します"(-""-)"