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「どうせ無理」は脳のクセだった?予測不能な時代に自分を取り戻すヒント 書籍『脳マネジメント』

「変われない脳」とどう付き合うか?VUCA時代の心の持ち方と行動の選び方

AIの進化や社会構造の変化により、私たちは今、かつてないスピードで変わる世界に生きています。

世の中が目まぐるしく変化してこの先どうなるのか、自分はついていけるのか、と不安に陥ることはありませんか。

そんな時代背景の中で注目されているのが「VUCA」というキーワードです。
予測困難で複雑な現代を生きるには、脳が本能的に持っている「変化を避けようとするクセ」に気づくことが必要不可欠です。

「VUCA」な世の中を生きていくために、何かを変えなければならないと感じている方々にこちらの本をご紹介します。

『脳マネジメント』秋間早苗著 2024年 クロスメディア・パブリッシング

変化にしなやかに対応するための視点と、自分の内側にある“本来の力”をどう引き出していくかを考え「正解のない先の見えない道なき場所を模索する」人たちのために書かれた本です。

「変わる世界、変われない自分」無力感と諦めを超えるために

AIが台頭してきてからの世界の変貌は目まぐるしく、しかし、その変化から逃げるわけにもいかない、今はそんな状況ではないでしょうか。今までの世界と、これからの世界はとてもかけ離れたものになるはずです。

だから、このままではいけないと思いつつ、では何をどうすればいいのかわからないという人は多いと思います。

そして何かを変えたいという理想と、変えられない現実のギャップに無力感、あきらめを感じているのではないでしょうか。

世界とは本来わかりづらいものです。

毎日のルーティンを繰り返している限り、数時間後、翌日、来年の予測をすることができます。これが安心となって、つい今まで通りを続けようとしてしまいます。

しかし、実際は未来の予測などできないはずです。同じことをしていれば、まあ大きな変更はないだろうという想像ができるというにすぎません。

この想像上の「予測できる世界」を本書では「非VUCA」と表現しています。

VUCAとは、以下の単語の頭文字をとったものです。

  • 変動性(Volatility):社会情勢や市場の変化が激しく、予測が難しい状態
  • 不確実性(Uncertainty):将来何が起こるか予測できない状況
  • 複雑性(Complexity):様々な要因が複雑に絡み合い、問題解決を困難にしている状態
  • 曖昧性(Ambiguity):因果関係が不明確で、何が原因で何が起こっているのかが分かりにくい状態

今の時代、生じる問題や課題の明確な答えを出すことが難しいだけでなく、提起された問題すら,、いかようにも解釈できるあいまいなものだったりします。

そして無力感や諦めから、「どうせ~ない」という考えにいきついてしまう。

「どうせ変えられない」「どうせ自分にはできない」

そして本書のいう「非VUCA」の考えを堅持しようとして、変わること、変えることは誰かがやる他人事だと思ってしまう。

そう考えてしまう「脳のクセ」を何とかしようというのが本書の内容です。

VUCAの時代においては、企業や個人は従来の思考や行動様式を転換して、変化に柔軟に対応できる力や、不確実な状況下でも意思決定を行える力が求められるのです。

ジャッジメンタルという思考のクセ

脳はエネルギーを食う器官です。ですから、常に省エネしようとするのが特徴です。

省エネに有効な手段は習慣化です。毎日のルーティンで無意識に行えること。歯を磨いたり、毎日の出勤ルートを移動したり、同じタスクをこなしたりすると、脳はとても楽ちんなのです。

なるべく今までどおりがいい、と考える。それが著者の言う「脳のクセ」です。

反対に脳にとって負担のかかることとは、変化することです。つまり新しいところに行ったり、環境を変えたり、新しいことにチャレンジしたり。

脳は変わりたがらないんだということを意識しなければ「私には無理」「時間がない」「どうせうまくいかない」などなど「やらない」理由が次々にうかんできて無意識にそちらに引っ張られることになるでしょう。

ノンジャッジメンタルと二次ジャッジメンタル

「ジャッジメンタル(judgmental)」とは、物事をすぐに「良い・悪い」「正しい・間違っている」と判断してしまう心のクセのことです。
たとえば、「私はミスをした。だからダメな人間だ」とか、「あの人の態度は失礼だから嫌い」といった反応がそれに当たります。

このような判断は自動的・無意識に行われがちで、自分自身や他人に対して厳しくなったり、ネガティブな感情を引きずる原因になります。

人は自分の外側ばかり見てしまいがち、「違い」は優劣、善し悪しで見てしまいがち、間違いと思いがちなのです。

そうならないようにすることをノンジャッジメンタルといいます。

しかし、そうなるまいと意識しすぎると、今度はその反動で二次ジャッジメンタルという状態になることもあります。

最初の判断に対して、さらに「こんなふうに感じてはいけない」とか「またネガティブになってしまった、自分は弱い」と、自分を否定したり責めたりする反応のことです。

こうあるべきという「べき思考」にとらわれていると、ノンジャッジメンタルになれなかった自分を責めてしまうのです。

そしてまた、気づかないうちに自分を責めるクセはエネルギーを消耗し、再び考えがネガティブに傾いてしまいます。

「今ここにある自分の状態」を評価せずにそのまま見るノンジャッジメンタルになると、自分を先入観なしに見つめることで自分ならではの力を発揮できるようになります。

自分がどんな刺激に対してどんな反応をしているか、繰り返している反応パターンはないかといった情報を集めていくと、自分が持っている価値感や固定概念などの理解の解像度を上げることができます。

p102

私たちは、出来事が起きた瞬間にすぐ反応してしまいがちですが、「起こった事実」と「自分の感情や反応」のあいだに、ほんの少しでも“すき間”をつくることができると、その場での反応を選び直すことができます。

この「反応を自分で選べる」という感覚は、「自分にもできることがある」という自己効力感を高めることにつながります。
それは、他人の期待や世間の常識に流されるのではなく、「本当に自分がやりたいことは何か」に目を向けることでもあります。

そうして、自分自身の心がときめく瞬間や感覚「萌えポイント」を少しずつクリアにしていくことで、自分「ならでは」の独自性や魅力が自然と表れてくるのです。

自分の人生に対して「自分はこの会社で、こういう仕事をしています」ではなく、「自分はこう生きていきたいから、この会社で、こういう仕事をしている」というように自分の意図を明確に言語化し、あらゆる行動に主体性を持つようにしてみてください。

P131

この本の目次

  • 第1章 VUCAな社会に蔓延する閉塞感・あきらめ・無力感の正体
  • 第2章 人類の進化と脳の暴走
  • 第3章 無自覚な脳を巡る7つの資質
  • 第4章 基本の脳マネジメント―個人が変わる
  • 第5章 私たちの脳マネジメント――チームや組織が変わる
  • 第6章 脳マネジメントはVUCAな社会と未来を灯す松明となる

まとめ

上記のほかに、自分が変わっても周りが変わらないことの軋轢による自律型人材確保の課題、組織を変えるために脳マネジメントを活用した具体例など、個人だけでなく、組織、企業が変革するための手段としても脳マネジメントを活用することを提案しています。

「無自覚を自覚する」というのが脳マネジメントの肝になります。

脳のRUS(網様体賦活系、Reticular Activating System)という機能は、五感を通じて得られる膨大な情報をフィルタリングし、重要な情報だけを意識に届ける役割を果たします。脳は省エネモードがデフォルトなので、「やらなくていい」「自分には関係ない」と考えてエネルギーを消耗しないようにしてしまいます。するとやがて、それが重要なことだと脳が判断して、「やらない理由」の根拠ばかりが目に付くようになってしまいます。

それは無自覚に脳が行うということを知るのが「無自覚を自覚する」ということです。

自分がどうありたいのかを知り、そのために必要な情報を拾えるようにRUSの機能を利用しましょう。

VUCAな世の中に対処するための方法として書かれた書籍『無知の技法』も以前ご紹介しました。もしよかったらご覧ください。

vega-well-being.hatenablog.com

読み終えて

「省エネのまま過ごせる「コンフォートゾーン」にとどまりたいがために「いつもと同じ」繰り返し、考えずとも行えるルーティーン=習慣を作っていく」という文章を見て、

ああ、また出てきたコンフォートゾーン!

と思いました。

コンフォートゾーンを出なければ変わることはできない

今まで読んだ本で何度この言葉を目にしてきたことか。

私が自己啓発本というものに出会って10年になります。

図書館をたびたび利用してきたのに、ほとんど小説、歴史、洋裁、編み物の棚にしか行ってませんでした。

図書の分類で、歴史は200番台、自己啓発や哲学などは100番台で隣り合ってるんですよね。たぶん列を間違えて入ったのがきっかけだったと思います。

そこで初めて自己啓発本を見つけて手にして、以来100冊はゆうに超えて300冊以上もたぶん読んだと思います(メモしとけばよかった)

それだけたくさん読めば、書かれていることの概要はほとんど同じだとわかります。

行動すること

これに尽きます。

けれど、10年、好んで自己啓発脳科学、心理学の本を読み続けても、それができないんです。

新たなタイトルの本を見つけて借りて、きっと真新しいことはそうないだろうな、と思いつつ読み進めてやっぱりそうで、

コンフォートゾーン、コンフォートゾーン、コンフォートゾーン………

本を読んでいないとき、何も変わっていない自分に失望と焦燥を感じるといつもこの言葉が頭の中でリフレーンしてます。

今のままではだめだと思いつつ、今の慣れた環境から出られていません。

『脳マネジメント』ではノンジャッジメンタルでいましょうということで自分にダメだしする必要はないということですが、でも……約10年……。

コンフォートゾーンについての本もご紹介したことがあります。

vega-well-being.hatenablog.com

それでもなおかつ変われない私。

全く変わってないはずはないですけど、理想とする自分ではないことに、焦りや不安を感じてしまいます"(-""-)"